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忘れられる、キスを
第20章 焦り
抱きしめてから、どのくらい経ったのだろう。
いつの間にか、腕の中で先輩はすうすうと寝息を立てていた。
相変わらず、寝るのが早い。

「ほんと、子どもだよな…」

穏やかな寝顔にキスをして、毛布を肩までかける。
雨はまだ止まないようで、外は暗い雲が立ち込めていた。
えっちゃん先輩を起こさないように、そっとベッドから抜け出す。
窓ガラスに映りこむ自分の姿をみてため息が出る。
下腹部がその存在をしっかりと主張していた。

「どうしてくれるんだこれ…」

ベッドの上で安らかに寝息を立てる先輩を恨めしく見つめる。
快楽に乱れ、艶やかな声を漏らす先輩に俺はすっかり興奮していた。
今日は抱きしめて、キスをするくらいにとどめようと思っていたのに、全然歯止めがきかなかった。
もし、先輩がルール通り、背中を叩いていたら…俺は止められただろうか。

「ん…う……」

先輩が寝返りを打つ。
毛布がずれ、白い背中と尻が丸見えになる。
それだけで、また下半身に血が集まるのを感じる。

「ほんといい加減にしてよ…」

八つ当たりだと分かっていても、止められない。
はだけた背中に、腰に、キスをする。
尻から太腿にかけての滑らかな肌触りがたまらなく心地よかった。



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