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忘れられる、キスを
第23章 スターライト
「ナンパはご遠慮下さい」
数曲の演奏を終え、星くんが私とサラリーマンの二人組の間に不機嫌そうに割って入る。
「おお、一丁前にナイト気取りか?」
二人がからかうように笑う。
はあ、と星くんがため息をついた。
「このお嬢さんに感謝するんだな、ボウズ。今日は良かったぞ」
「今日も、でしょ」
そういいつつまんざらでもなさそうな表情でこちらを振り向く。
「どうだった?」
「すごく、良かった。ありがとう」
星くんが照れたように笑う。
時計はそろそろ十時を指そうとしていた。
星くんの演奏が終わった後、店内もかなり人が少なくなっていた。
「今日はありがとう。ごちそうさまでした」
お礼を言って、会計をしようとすると、星くんが伝票をひらひらっと振った。
「店長の、奢りだから」
「そんな、悪いよ…」
「じゃあ、リュウの奢りだな」
影山さんが愉快そうに笑う。
給料から天引きだなーとサラリーマン二人もからからっと笑った。
「今日は、いいっすよ。また、来てください」
「ん、ありがとう」
星くんは、駅まで送ります、とエプロンを外した。
リュウ、と後ろから影山さんが呼ぶ。
二人は、二言三言話して、星くんがぺこりと頭を下げた。
「ちょっと待ってて」
そう言って、星くんはバックヤードに引っ込んでしまった。
数曲の演奏を終え、星くんが私とサラリーマンの二人組の間に不機嫌そうに割って入る。
「おお、一丁前にナイト気取りか?」
二人がからかうように笑う。
はあ、と星くんがため息をついた。
「このお嬢さんに感謝するんだな、ボウズ。今日は良かったぞ」
「今日も、でしょ」
そういいつつまんざらでもなさそうな表情でこちらを振り向く。
「どうだった?」
「すごく、良かった。ありがとう」
星くんが照れたように笑う。
時計はそろそろ十時を指そうとしていた。
星くんの演奏が終わった後、店内もかなり人が少なくなっていた。
「今日はありがとう。ごちそうさまでした」
お礼を言って、会計をしようとすると、星くんが伝票をひらひらっと振った。
「店長の、奢りだから」
「そんな、悪いよ…」
「じゃあ、リュウの奢りだな」
影山さんが愉快そうに笑う。
給料から天引きだなーとサラリーマン二人もからからっと笑った。
「今日は、いいっすよ。また、来てください」
「ん、ありがとう」
星くんは、駅まで送ります、とエプロンを外した。
リュウ、と後ろから影山さんが呼ぶ。
二人は、二言三言話して、星くんがぺこりと頭を下げた。
「ちょっと待ってて」
そう言って、星くんはバックヤードに引っ込んでしまった。