この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
忘れられる、キスを
第23章 スターライト
唇を重ね合わせるだけの単純な、キス。
それなのに、どうしてこんなに気持ちがいいのだろう。
星くんが離れると、名残を惜しむように細い銀の糸が引いた。

「だ、だめ、こんな…外なのに…」
「誰も見てないって」

ふう、と星くんが息をつく。
信号はまた、赤に変わってしまった。

「もう、平気」
「何が…?」
「ちょっと、ね。気にしないで」

青だよ、と先を促す。
駅前までくると、まだまだ人も多く、明るかった。
傘を閉じ、構内へ入る。
すれ違う人を避けるように、星くんが私の肩を引き寄せた。
その途端、すっかり忘れていた嫌な感覚が蘇り、ぴくりと肩が動いてしまった。

「…どうしたの?」

ほんの少しの反応なのに、星くんは敏感に察知する。
何でもない、と首を振った。
職場の上司に肩を触られたのを思い出した、なんて言えるはずもなく。
そんな小さなことで過敏になっている自分が嫌だった。
星くんは肩から手を外し、自然な動作で、そっと私の手を取る。
少し冷たい、大きな手。
すうっと、心が落ち着いていくのを感じる。
ホームに降りると、電車の到着のアナウンスが流れた。
普段の私なら、ここでさよならを言う。
でも、今日は、言葉が出てこない。

「今日、泊りにいっていい?」

電車の滑り込む轟音の中で、星くんの声が聞こえた。


/507ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ