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忘れられる、キスを
第24章 泊まり
いつの間にか脱衣所に置いてあったドライヤーを借りて、髪を乾かし、部屋へ戻る。
えっちゃん先輩はクローゼットを開け、明日着ていく服を出していた。

「こっちの方がいいよ、それはスカート短かすぎ」

後ろから先輩の肩を抱き込む。
先輩がびくりと身体を揺らした。
そうかな、と先輩が俺の指差した方のスカートと手に持っていたスカートを替える。

「綺麗な色のスカートだね」
「ちょっと、夏っぽいかな…?」

いいじゃん、もう夏だよ、と柔らかな髪に口付けた。
ふわりと、シャンプーの香りが鼻腔をくすぐる。
先輩はまとわりつく俺を気にすることなく、俺が選んだ薄緑のスカートを壁に掛けた。
抱きしめている身体は、柔らかくて、温かい。
急にむくむくと悪戯心がわいてきて、先輩のパジャマのズボンに指をかけ、少しだけ下げる。

「や、ちょ…星くん…!」
「あ、スカートと、お揃いの色だ」

露わになった薄緑の下着に思わず手が伸びる。
ぺしり、と叩かれ、先輩が真っ赤な顔でこちらを睨んでくる。

「へ、変なことしないで…!」
「パンツくらいでそんな…」

減るものじゃないし、と言いかけて口を噤む。
あ、ちょっと、本気で怒ってる?

「も、もう、床で寝て…!」

俺の顔にばふんとクッションが飛んできた。


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