この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
忘れられる、キスを
第24章 泊まり
「ごめんなさいっ、つい…!」
顔の前で両手を合わせる。
先輩は俺に構わず、ベッドに入り、布団をかぶってしまう。
「もうしないから…!お願い、一緒に…!!」
「へ、変なことするから…やだ…」
鼻の上まで毛布を引き上げて、目だけがこちらを見ている。
「ゆ、床で寝たら身体痛いし、風邪ひくかもだし…!そしたらバイトも授業も休まないとだけど、そうすると色々周りに迷惑が…」
先輩はまだじとっとこっちを見ていたが、しばらくして、身体をずりずりとずらし、ベッドの右半分をあけてくれた。
「変なこと…」
「しない!」
パチリと電気を消し、素早くそこへと入り込む。
先に寝ていた先輩の温もりに包まれる。
「雨、やんだね」
「ん…もう寝よう…明日…起きられな…」
先輩の声が途切れる。
すぐに、すうすうと規則正しい寝息が聞こえてきた。
「はや…」
この無防備さ。
本当に危機感がなさすぎる。
「襲うよー?」
指先で一房、髪を掬う。
薄く開いた唇に、自分を重ねる。
すうっと透明の糸で繋がって、離れた。
「おやすみ、先輩」
温かな身体を抱きよせて、そっと囁く。
身じろぎひとつしない先輩の鎖骨の下辺りに、口付け紅い痕を残した。
それからもう一度、おやすみ、と言って、俺も目を閉じた。
顔の前で両手を合わせる。
先輩は俺に構わず、ベッドに入り、布団をかぶってしまう。
「もうしないから…!お願い、一緒に…!!」
「へ、変なことするから…やだ…」
鼻の上まで毛布を引き上げて、目だけがこちらを見ている。
「ゆ、床で寝たら身体痛いし、風邪ひくかもだし…!そしたらバイトも授業も休まないとだけど、そうすると色々周りに迷惑が…」
先輩はまだじとっとこっちを見ていたが、しばらくして、身体をずりずりとずらし、ベッドの右半分をあけてくれた。
「変なこと…」
「しない!」
パチリと電気を消し、素早くそこへと入り込む。
先に寝ていた先輩の温もりに包まれる。
「雨、やんだね」
「ん…もう寝よう…明日…起きられな…」
先輩の声が途切れる。
すぐに、すうすうと規則正しい寝息が聞こえてきた。
「はや…」
この無防備さ。
本当に危機感がなさすぎる。
「襲うよー?」
指先で一房、髪を掬う。
薄く開いた唇に、自分を重ねる。
すうっと透明の糸で繋がって、離れた。
「おやすみ、先輩」
温かな身体を抱きよせて、そっと囁く。
身じろぎひとつしない先輩の鎖骨の下辺りに、口付け紅い痕を残した。
それからもう一度、おやすみ、と言って、俺も目を閉じた。