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忘れられる、キスを
第26章 無防備
「ちょっと痛い方がいいんだっけ?」

再び勃ち上がった胸の尖端をきゅっと摘み上げる。
「ああ…」と喉の奥から、悲鳴ともため息ともつかない声がもれた。
口に含み、舌先で転がす。

「そ…だ、め…」

俺の首に縋りつき、先輩が訴える。
切なげな表情が俺を駆り立てる。

肩に触れると、びくりと怯えたように竦める。
唇を合わせるだけのキスは、心底気持ち良さそうに受け入れる。
言葉では拒むのに、触れれば身体は素直な反応を見せる。
それでも、指一本、彼女の中に入ることは叶わない。

心と身体が裏腹で、バラバラだ。
どれが本当の先輩なんだろうか。
まだまだ、分からないことばっかりだ。
けれども、どの先輩も、俺の好きな女の子であることには変わらないのだ。
それなら。

「これ、気持ちいーの?」

敏感になった桜色の尖端に、柔く歯を立てる。

「あ…っ……や、だ…ちが…」

ぴくん、と腰がはねる。
先輩は、声を押しとどめるように、下唇を噛んでいる。

「我慢すると、苦しいよ?」

指先で、固く結ばれた先輩の唇を緩め、そのままキスをする。
最初は、唇を、重ねるだけ。
それから、そっと、舌で其処を割る。
口の端から、吐息が洩れた。

「先輩の、気持ちいいとこ、教えて」

ゆっくり、足の間に手を滑らせた。
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