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忘れられる、キスを
第27章 不穏
「ちょっと、煙草…」と言って早坂さんが席を立つ。
外に出る早坂さんの背中を確認して、千代子さんがいたずらっぽい目でこちらをみた。
内緒話をするように、私の方に身体を寄せる。
「で、彼氏は出来たの?」
「……はい」
頷いてから、顔が紅くなっていくのを感じた。
おめでとう、と千代子さんがにこにこしながら祝福してくれる。
「相手の方って、前に話していた、先輩?」
周りの友人には気恥ずかしくて、恋愛相談が出来ずにいたが、千代子さんには倉田先輩のことを話していた。
話す度に、本当の姉のように、親身になって私のどうしようもない話を聞いていてくれたのだ。
「いえ…先輩には、振られてしまいました」
「あら……じゃあ、会社の方?」
「え…っと……後輩、なんです」
年下?何で付き合うことになったの?と千代子さんが楽しそうに先を促す。
「私が落ち込んでいるときに、ずっと側に居てくれて…元気づけてくれて…」
経緯を思い出そうとすると、星くんとのキスや指の感触も一緒に思い出されて、ますます恥ずかしくなってしまう。
「へえー…その後輩くん、きっと、絵津子ちゃんのことすごく好きなのね」
千代子さんが優しく微笑んだ。
外に出る早坂さんの背中を確認して、千代子さんがいたずらっぽい目でこちらをみた。
内緒話をするように、私の方に身体を寄せる。
「で、彼氏は出来たの?」
「……はい」
頷いてから、顔が紅くなっていくのを感じた。
おめでとう、と千代子さんがにこにこしながら祝福してくれる。
「相手の方って、前に話していた、先輩?」
周りの友人には気恥ずかしくて、恋愛相談が出来ずにいたが、千代子さんには倉田先輩のことを話していた。
話す度に、本当の姉のように、親身になって私のどうしようもない話を聞いていてくれたのだ。
「いえ…先輩には、振られてしまいました」
「あら……じゃあ、会社の方?」
「え…っと……後輩、なんです」
年下?何で付き合うことになったの?と千代子さんが楽しそうに先を促す。
「私が落ち込んでいるときに、ずっと側に居てくれて…元気づけてくれて…」
経緯を思い出そうとすると、星くんとのキスや指の感触も一緒に思い出されて、ますます恥ずかしくなってしまう。
「へえー…その後輩くん、きっと、絵津子ちゃんのことすごく好きなのね」
千代子さんが優しく微笑んだ。