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忘れられる、キスを
第3章 強がり
「先輩、俺と同じだね」

私の話が途切れると、星くんが笑って言った。

同じ…?

不思議に思って顔をあげると、何かでくっと口を塞がれた。

「んっ……んんっ…」

キスをされた、と気付くのに数秒かかった。
身体が強張る。

「先輩、俺、えっちゃん先輩のこと、ずっと、好きです」
「えっ…」

好き?
星くんが、私を?

突然の告白に混乱していると、再び唇を奪われた。

「んんっ……っふ…」

逃げようにも、身体が強張って動けない。
そうこうしているうちに、ぬるりと、星くんの舌が入り込んできた。

「…っく……やっ…」

必死の抵抗でどうにか唇を離すことができた。
けれども、身体はがっちりと星くんに抱きしめられている。

「ほ、星くん、どうして…こんな…」
「先輩のこと、好きだから」

星くんが真っ直ぐこちらを見つめる。
目が、そらせない。

「倉田先輩のこと、まだ、好き?」
「ん、好き…」

倉田先輩のことを思い出して、涙が浮かぶ。

「忘れて」

星くんの声が低くなる。

「倉田先輩のこと、忘れて。俺のこと、好きになって」

そういうと、3度目のキスが始まった。



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