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忘れられる、キスを
第31章 傷痕
「ああ…いや……あ…」
「へえ、お前、こんなところで感じるのか」

佐野さんは不気味な笑みを浮かべる。
スカートを両手で掴むと、そのまま引き裂いた。
薄緑の、フレアスカート。

せっかく、星くんが、綺麗な色、って言ってくれたのに。

無惨な姿に、涙が零れる。

どうして、こんなことになってしまったのだろう。
私がいけない?
誰にも相談しなかったから?
きっぱりと断らなかったから?

「お前も悪いんだよ、深町。お前がそんな…怯えるような顔をするから……逃げられると追いかけたくなるんだよ、俺」

私は無意識のうちにポケットに入れた携帯に手を伸ばした。

星くん、助けて。

一番最後にかけたのは星くん。
凹凸の無い画面の上に表示されるアイコンの並びを思い出す。
お願い、と指先に祈りを込める。

けれどもそんな祈りも虚しく、佐野さんは目ざとく私の携帯を取り上げた。

舌舐めずりをして、私の下着に手を掛ける。
いとも簡単に足から下着が抜かれ、足を広げられ、秘部が露わにされる。

「い…いやっ……!は、なして…!!」

足をばたつかせようとしたが、がっしりと掴まれ動かない。
内腿を生暖かいものが撫でる。
チリッと痛みが走った。

「痕付けてやるよ、ここ」

何度も、何度も、執拗に、佐野さんは私の足を嬲った。
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