この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
忘れられる、キスを
第33章 安心毛布
「なんか食べたら?」
星くんが昼間に買い込んだ甘味類を冷蔵庫から取り出す。
「あ、コーヒーゼリーあるじゃん。これは?」
「食べていいよ」
「半分こしよ」
星くんがスプーンを水切りカゴから抜いて、こちらへ戻ってくる。
「はい、先輩、あーんして」
「い、いいよ…自分で…」
「だめ、ほら、あーん?」
つん、と冷たいスプーンの先で唇をつつかれた。
恐る恐る、口を開ける。
つるりと、冷たいゼリーが口の中に滑り込んだ。
「おいしい?」
「ん、おいし…」
じゃあ、もう一口、と星くんが、スプーンを差し出す。
恥ずかしくて、けれども、つるりと流れ込む甘いゼリーが、空腹でひりつく胃を落ち着かせてくれた。
「星くんは…食べないの?」
「んー…先輩、食べさせてくれる?」
スプーンを渡され、渋々、ゼリーを掬ってさしだす。
あ、あんまり甘くないや、と星くんが嬉しそうに言った。
「甘いの、苦手、なの?」
「あ、まあ…極端なやつは…このくらいは平気」
星くんはスプーンを私の手から取り上げると、また一口、こちらへ差し出した。
結局、ゼリーはほとんど私が食べてしまった。
スプーンとゴミを片付け、二人ならんで歯を磨く。
星くんは、背が高いなあ。
鏡越しにそんなことを考えていたら、ふっと星くんが笑いかけた。
星くんが昼間に買い込んだ甘味類を冷蔵庫から取り出す。
「あ、コーヒーゼリーあるじゃん。これは?」
「食べていいよ」
「半分こしよ」
星くんがスプーンを水切りカゴから抜いて、こちらへ戻ってくる。
「はい、先輩、あーんして」
「い、いいよ…自分で…」
「だめ、ほら、あーん?」
つん、と冷たいスプーンの先で唇をつつかれた。
恐る恐る、口を開ける。
つるりと、冷たいゼリーが口の中に滑り込んだ。
「おいしい?」
「ん、おいし…」
じゃあ、もう一口、と星くんが、スプーンを差し出す。
恥ずかしくて、けれども、つるりと流れ込む甘いゼリーが、空腹でひりつく胃を落ち着かせてくれた。
「星くんは…食べないの?」
「んー…先輩、食べさせてくれる?」
スプーンを渡され、渋々、ゼリーを掬ってさしだす。
あ、あんまり甘くないや、と星くんが嬉しそうに言った。
「甘いの、苦手、なの?」
「あ、まあ…極端なやつは…このくらいは平気」
星くんはスプーンを私の手から取り上げると、また一口、こちらへ差し出した。
結局、ゼリーはほとんど私が食べてしまった。
スプーンとゴミを片付け、二人ならんで歯を磨く。
星くんは、背が高いなあ。
鏡越しにそんなことを考えていたら、ふっと星くんが笑いかけた。