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忘れられる、キスを
第4章 衝動
男のそことは違う、すとんとした下腹部。
俺自身、セックスの経験がないわけではないので、何度となく見ているが、やはりどことなく不思議なもののような気がする。

トランクスの上からそっと触れる。

「…っあ………やっ…」

抵抗するかのように足が動く。
先輩の右手は俺の肩を、左手は未だ胸から離すことのない俺の右手首を掴んでいる。

円を描くようにくりくりとそこを撫でると、吐息とも悲鳴ともつかない声が漏れた。

トランクスの前側にあるスリットから、そっと中へと侵入する。
びくっと先輩の身体が揺れた。

指先に絡みつく茂りを掻き分け、敏感な部分を探る。
さっきと同じように、くりくりと円を描くように指先で撫でる。
少しずつ、とろりとした蜜が溢れてきた。

肩を掴む先輩の指が痛いほど食い込んでくる。

「いっ……あ…ほし…くっ…」
「先輩、ここ、濡れてきたよ…」
「や……あ…」

涙声になる先輩。

だめだ。こんなこと。

でも、引き返せない。

俺は夢中で、先輩の胸の下辺りに、紅い印を付けた。

鎖骨の上にも。
臍の横にも。
腿の内側にも。

俺を、好きになって。

幾つも、幾つも。
キスをするたびに、先輩が身体を捩っても。
もう、やめられない。



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