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忘れられる、キスを
第36章 温泉旅行
「あ…」
声が出なかった。
スカートが破かれていた時点で、ある程度のことは想像がついていた。
けれども、いざ、その事実を突きつけられると、ものすごい衝撃だった。
「ほしく……っくしゅっ」
小さいくしゃみをした先輩を慌てて湯船に下ろす。
抱きしめて、肩までつかった。
「ごめん、いくらなんでも、寒いよね」
「ん、大丈夫…」
「あの、先輩」
言いかけて、何を言えばいいか、分からなくなって口を噤んだ。
内腿に残された、紅い痕。
それが何を意味するのか、何も、聞けなかった。
「星くん、顔、真っ赤…」
「の、のぼせそうだから、先出るね。先輩は、もう少しあったまってから」
言い終わらないうちに、湯船を抜け出し、脱衣所に戻った。
身体を拭いて、浴衣を羽織る。
紅く散らばった痕が瞼の裏に焼き付いて、消えない。
腿の付け根まで嬲られた痕があったということは、もっと、その先の行為まで、あったのだろうか。
想像するだけで、吐き気がしてくる。
「星くん」
いつの間にか浴衣を着た先輩が後ろに立っていた。
湯上りで、頬が上気して、色っぽい。
「のぼせた?大丈夫?水飲んだ?」
「大丈夫。先輩も、水、飲んだら?」
常備されたポットからコップに水を注ぐ。
こくりと喉を鳴らしながら、先輩は美味しそうに飲んでいた。
声が出なかった。
スカートが破かれていた時点で、ある程度のことは想像がついていた。
けれども、いざ、その事実を突きつけられると、ものすごい衝撃だった。
「ほしく……っくしゅっ」
小さいくしゃみをした先輩を慌てて湯船に下ろす。
抱きしめて、肩までつかった。
「ごめん、いくらなんでも、寒いよね」
「ん、大丈夫…」
「あの、先輩」
言いかけて、何を言えばいいか、分からなくなって口を噤んだ。
内腿に残された、紅い痕。
それが何を意味するのか、何も、聞けなかった。
「星くん、顔、真っ赤…」
「の、のぼせそうだから、先出るね。先輩は、もう少しあったまってから」
言い終わらないうちに、湯船を抜け出し、脱衣所に戻った。
身体を拭いて、浴衣を羽織る。
紅く散らばった痕が瞼の裏に焼き付いて、消えない。
腿の付け根まで嬲られた痕があったということは、もっと、その先の行為まで、あったのだろうか。
想像するだけで、吐き気がしてくる。
「星くん」
いつの間にか浴衣を着た先輩が後ろに立っていた。
湯上りで、頬が上気して、色っぽい。
「のぼせた?大丈夫?水飲んだ?」
「大丈夫。先輩も、水、飲んだら?」
常備されたポットからコップに水を注ぐ。
こくりと喉を鳴らしながら、先輩は美味しそうに飲んでいた。