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忘れられる、キスを
第36章 温泉旅行
もう一度服に着替え、海岸へ向かうと、丁度、夕日が沈みかけているところだった。
「わあ…!」
えっちゃん先輩がその光景に感嘆の声を上げる。
オレンジ色の光が海を照らし、きらきらと光っている。
空は昼から夜へのグラデーションが綺麗だった。
「スカート、海と同じ色してる」
俺の言葉に先輩がにっこりと笑う。
あ、この顔。
久々に見た。
「星くんが選んでくれたスカートで、お出かけしたかったから。嬉しい。すごく、嬉しい」
爽やかな風が、ふわりと先輩のスカートを揺らす。
いつの間にか、日は沈み、辺りは青く染め上げられていた。
「もう少し、散歩して帰ろうか」
「うん」
どちらともなく、手が重なり、そのまま絡める。
ぶらぶらと揺らしながら、散策路を歩いた。
こんな時間が、いつまでも続けばいいのに。
手を繋いで歩く、なんて、他愛もないことだけれど、時々、強くそんなふうに願ってしまう。
えっちゃん先輩と二人でいられることが幸せで、けれども、それをもし、失うことになってしまったら……と考え、怖くなる。
「風、涼しくて気持ち良いね」
俺の不安なんてまるで気付かない先輩が屈託のない笑顔をみせた。
「わあ…!」
えっちゃん先輩がその光景に感嘆の声を上げる。
オレンジ色の光が海を照らし、きらきらと光っている。
空は昼から夜へのグラデーションが綺麗だった。
「スカート、海と同じ色してる」
俺の言葉に先輩がにっこりと笑う。
あ、この顔。
久々に見た。
「星くんが選んでくれたスカートで、お出かけしたかったから。嬉しい。すごく、嬉しい」
爽やかな風が、ふわりと先輩のスカートを揺らす。
いつの間にか、日は沈み、辺りは青く染め上げられていた。
「もう少し、散歩して帰ろうか」
「うん」
どちらともなく、手が重なり、そのまま絡める。
ぶらぶらと揺らしながら、散策路を歩いた。
こんな時間が、いつまでも続けばいいのに。
手を繋いで歩く、なんて、他愛もないことだけれど、時々、強くそんなふうに願ってしまう。
えっちゃん先輩と二人でいられることが幸せで、けれども、それをもし、失うことになってしまったら……と考え、怖くなる。
「風、涼しくて気持ち良いね」
俺の不安なんてまるで気付かない先輩が屈託のない笑顔をみせた。