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忘れられる、キスを
第39章 ランチパーティー
「あー…悪いな」
早坂さんがバツが悪そうに言う。
星くんは酔っぱらっているのか、心なしか顔が紅い。
「あのな、深町」
早坂さんがフォークを置いた。
カチリと皿と触れ合う音がする。
「これからのことで、な。何から話せばいいか…」
早坂さんが、ふーっと息をついた。
「まず、佐野のことだけど」
「…はい」
その名前に、びくっと肩が揺れてしまう。
「二度と君に近づかないよう、誓約書を書かせた。あいつのパソコンやら携帯やらから出てきたお前の写真も全て消去させた。ただ…」
言いづらそうに、目を伏せた。
「会社は、今回のことを示談にして欲しい、と言ってきた」
「……」
「佐野の叔父にあたる人が役員でね、事を荒立てたくない、と」
早坂さんが申し訳なさそうに、私を見た。
「佐野は、降格で、地方に転勤だ。もう手続きも済ませた。深町が顔を合わせることもない。示談交渉は、会社側できちんとすると約束してくれた」
「……い、いいです…佐野さん、がもう、いないなら…」
すまない、と早坂さんが言った。
「あとは、深町、君次第だ。もし、深町が希望するなら別の部署への異動なり…あるいはほかの会社を紹介してもいい」
「…あの、私は」
きゅっと膝の上で、手を握った。
早坂さんがバツが悪そうに言う。
星くんは酔っぱらっているのか、心なしか顔が紅い。
「あのな、深町」
早坂さんがフォークを置いた。
カチリと皿と触れ合う音がする。
「これからのことで、な。何から話せばいいか…」
早坂さんが、ふーっと息をついた。
「まず、佐野のことだけど」
「…はい」
その名前に、びくっと肩が揺れてしまう。
「二度と君に近づかないよう、誓約書を書かせた。あいつのパソコンやら携帯やらから出てきたお前の写真も全て消去させた。ただ…」
言いづらそうに、目を伏せた。
「会社は、今回のことを示談にして欲しい、と言ってきた」
「……」
「佐野の叔父にあたる人が役員でね、事を荒立てたくない、と」
早坂さんが申し訳なさそうに、私を見た。
「佐野は、降格で、地方に転勤だ。もう手続きも済ませた。深町が顔を合わせることもない。示談交渉は、会社側できちんとすると約束してくれた」
「……い、いいです…佐野さん、がもう、いないなら…」
すまない、と早坂さんが言った。
「あとは、深町、君次第だ。もし、深町が希望するなら別の部署への異動なり…あるいはほかの会社を紹介してもいい」
「…あの、私は」
きゅっと膝の上で、手を握った。