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忘れられる、キスを
第42章 再会
「星くん…!」
「ライブも、来てくれたんだ、良かった、ありがとう」
走ったことで息が上がる。
そんな俺を見て、クスクス笑いながら、うん、こちらこそ、と先輩が言った。
「顔色、悪いね。大丈夫?」
「ちょっと、酸欠…凄かったね」
暑かったーと先輩が空を仰ぐ。
「汗、拭かないと。風邪引くよ」
先輩がカバンからタオルを出して、渡してくれた。
ふわっと先輩の家のフレグランスが香る。
「待ってて、水…」
「リュウー?何してんのー?」
ベースの紅一点、崎本明日香(さきもとあすか)が追いかけてきた。
はやく、と手招きしている。
「呼んでるよ」
「いいよ、先輩が…」
「私は大丈夫だから」
とん、と肩を押された。
大丈夫、ともう一度先輩が笑う。
「最後の文化祭でしょ、楽しまなきゃ」
もう、何してるの、と少し怒った声がして、ぐっと腕を引っ張られた。
「先、帰るね」
「うん…気を付けて…」
ひらひらっと手を振り、崎本に引きずられる俺を笑顔で見送ってくれる。
「もうっ始まっちゃうじゃん」
「分かったから…引っ張るなよ…」
崎本の友人たちで組んでいるガールズバンドのステージを見る約束をしていたのだ。
崎本は俺の言葉を無視してずんずん進んでいった。
「ライブも、来てくれたんだ、良かった、ありがとう」
走ったことで息が上がる。
そんな俺を見て、クスクス笑いながら、うん、こちらこそ、と先輩が言った。
「顔色、悪いね。大丈夫?」
「ちょっと、酸欠…凄かったね」
暑かったーと先輩が空を仰ぐ。
「汗、拭かないと。風邪引くよ」
先輩がカバンからタオルを出して、渡してくれた。
ふわっと先輩の家のフレグランスが香る。
「待ってて、水…」
「リュウー?何してんのー?」
ベースの紅一点、崎本明日香(さきもとあすか)が追いかけてきた。
はやく、と手招きしている。
「呼んでるよ」
「いいよ、先輩が…」
「私は大丈夫だから」
とん、と肩を押された。
大丈夫、ともう一度先輩が笑う。
「最後の文化祭でしょ、楽しまなきゃ」
もう、何してるの、と少し怒った声がして、ぐっと腕を引っ張られた。
「先、帰るね」
「うん…気を付けて…」
ひらひらっと手を振り、崎本に引きずられる俺を笑顔で見送ってくれる。
「もうっ始まっちゃうじゃん」
「分かったから…引っ張るなよ…」
崎本の友人たちで組んでいるガールズバンドのステージを見る約束をしていたのだ。
崎本は俺の言葉を無視してずんずん進んでいった。