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忘れられる、キスを
第43章 すれ違い
「や…っ……!星くんっ…」

足をばたつかせようとしても、上からのしかかられて動けない。
問答無用で、身体の至る所に紅く痕を残される。
それも、今までより、濃く、きつく、痛みとともに残された。

「なんで、こんな…」
「言ったでしょ、先輩がよそ見するから、って」

くいっと顎を持たれ、何度目かのキスをされる。
激しく何度も、舌を絡まされた。

「そんなこと…っ」

倉田先輩への気持ちにはもうちゃんと決着はついている。
星くんもそれは分かっているはずだ。

倉田先輩は、偶然会って、足を挫いた私を心配し、家まで送ってくれたのだ。

それだけなのに…

「ね、倉田先輩に、足、触らせたの」
「ひ…っ……いっ…」

冷たい言葉と裏腹に、湿布の上からそっと触れられる。
それでも鈍い痛みが走り、思わず声を上げてしまう。

「こんなになってるのに、何で、あの時すぐに言ってくれなかったの」
「……星くんの、最後の文化祭、だから…最後まで楽しんで欲しかったし…」

星くんに心配も迷惑もかけたくなかった。
これまでたくさん甘えて、寄りかかってしまったのに、最後の文化祭まで私のことに気をつかわせるなんて、申し訳なさすぎる。

「そんなの、どうだっていい」

星くんの指先が、私の太腿に触れた。
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