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忘れられる、キスを
第43章 すれ違い
そんなことがあってからもう三週間も経ってしまった。
倉田先輩からは足の状態を心配するメールがあったが、星くんからは音沙汰がなく、私も、なんとなく連絡することをためらっていた。
街には秋から冬へと変わる冷たい風が吹いていた。
黄色く色付いた葉が、足元を転がるように通り過ぎていく。
謝らなくては…と思ってケータイを手にしては、手が止まる。
何をどう言えばいいか分からなかったし、何より、はっきり拒絶されてしまったら…と考えると電話もメールも勇気が出ない。
伝えなくちゃいけないことは一つなのに、それをどうやって伝えればいいのか、分からなかった。
けれども、このままは、嫌だ。
ちゃんと、話さなくては。
そう思い、会社帰りに、「スターライト」に行ってみた。
ガラス越しにこっそり覗いてみたが、星くんは見当たらない。
「あれ、絵津子ちゃん?」
カランとベルが鳴り、バーテンダーの伊東さんが顔を出した。
「こ、こんにちは」
「久しぶりだね、どうぞ」
優雅な動作で店内へと迎え入れてくれる。
伊東さん以外は誰もいないようだ。
「す、すみません…!今日は…」
「まあ、そう言わずに。寒いし、何か、飲む?」
伊東さんがふっと笑みを零した。
倉田先輩からは足の状態を心配するメールがあったが、星くんからは音沙汰がなく、私も、なんとなく連絡することをためらっていた。
街には秋から冬へと変わる冷たい風が吹いていた。
黄色く色付いた葉が、足元を転がるように通り過ぎていく。
謝らなくては…と思ってケータイを手にしては、手が止まる。
何をどう言えばいいか分からなかったし、何より、はっきり拒絶されてしまったら…と考えると電話もメールも勇気が出ない。
伝えなくちゃいけないことは一つなのに、それをどうやって伝えればいいのか、分からなかった。
けれども、このままは、嫌だ。
ちゃんと、話さなくては。
そう思い、会社帰りに、「スターライト」に行ってみた。
ガラス越しにこっそり覗いてみたが、星くんは見当たらない。
「あれ、絵津子ちゃん?」
カランとベルが鳴り、バーテンダーの伊東さんが顔を出した。
「こ、こんにちは」
「久しぶりだね、どうぞ」
優雅な動作で店内へと迎え入れてくれる。
伊東さん以外は誰もいないようだ。
「す、すみません…!今日は…」
「まあ、そう言わずに。寒いし、何か、飲む?」
伊東さんがふっと笑みを零した。