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忘れられる、キスを
第45章 仲直り?
画面を見ただけで、星くんは電話を切ってしまった。
いいの?と聞いても返事はない。
途端に気まずい沈黙が流れる。
仕方なく、さっき言おうとした言葉をコーヒーで飲み込んだ。

「仲直りしたし、お風呂、一緒に入る?」
「……入らない」

えー…と星くんは不満顔になるが、それだけは無理だ。

「温泉行った時は一緒に入ったじゃん!」
「……あ、あれは…不可抗力で…」

その時のことを思い出すだけで顔から火が出るほど恥ずかしい。
押し問答の末、何とか一人ずつお風呂に入ることになった。

「一緒に寝るくらいはいいでしょ?」

星くんはお風呂から戻ると、そう言って、私を抱きすくめた。
お風呂上がりの身体はほかほかと温かく、心地よい。

このまま、ずっと抱きしめていて欲しい…

そう思ってパジャマの裾をそっと握り返した。
ふっと影が落ちて、星くんのキスが落とされる。
途端に、身体がびくっと震えてしまう。

「先輩…?」
「…ごめん…何でもない……」

情けない。
過剰に身体が反応して、無意識に星くんを拒絶してしまう。

抱きしめていて欲しいのに。
いっぱい、キスをして欲しいのに。

心と身体がばらばらで、追いつかない。

「寝ようか」

ベッドに入ると、ふっと部屋が暗くなった。
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