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忘れられる、キスを
第46章 邪魔
「ね…星くん…」
「ん?寝るんじゃなかったの?」
セーターの裾をきゅっと掴まれ、俺はベッドの端に腰掛けた。
「クリスマス、コンサート…今年、いつ?」
「23日だよ」
「……私も、行って、いい?」
熱のせいか、潤んだ瞳がこちらを見上げる。
赤らんだ顔とあいまって、俺の心臓は中学生のごとく、ドキドキと高鳴った。
「…あ、当たり前でしょ。てか、先輩来てくれなかったら、俺、頑張れない」
俺は、ピアノを、先輩のために、弾くのだから。
「チケット、あるから。早く風邪治して」
「ん……ごめんね…」
掠れた声で言って、先輩はそっと目を閉じた。
やがて、すうすうと小さな寝息が聞こえてきた。
いつもより熱を持った指先がセーターの裾を掴んだまま、離さない。
「えっちゃん先輩…」
声をかけ、そっと頬を撫でる。
薄く開いた唇に、自分のを合わせた。
ああ、ほんとに、なんで、こんなに好きなんだろう。
理屈じゃない。
ただただ、愛おしい。
身体を繋げられずとも、心を離したくない。
隣にいて欲しい。
出来れば、ずっと。
離れなくない。
離したくない。
もう一度、唇を合わせる。
きゅっとセーターの裾を掴む指に力が入ったような気がした。
「ん?寝るんじゃなかったの?」
セーターの裾をきゅっと掴まれ、俺はベッドの端に腰掛けた。
「クリスマス、コンサート…今年、いつ?」
「23日だよ」
「……私も、行って、いい?」
熱のせいか、潤んだ瞳がこちらを見上げる。
赤らんだ顔とあいまって、俺の心臓は中学生のごとく、ドキドキと高鳴った。
「…あ、当たり前でしょ。てか、先輩来てくれなかったら、俺、頑張れない」
俺は、ピアノを、先輩のために、弾くのだから。
「チケット、あるから。早く風邪治して」
「ん……ごめんね…」
掠れた声で言って、先輩はそっと目を閉じた。
やがて、すうすうと小さな寝息が聞こえてきた。
いつもより熱を持った指先がセーターの裾を掴んだまま、離さない。
「えっちゃん先輩…」
声をかけ、そっと頬を撫でる。
薄く開いた唇に、自分のを合わせた。
ああ、ほんとに、なんで、こんなに好きなんだろう。
理屈じゃない。
ただただ、愛おしい。
身体を繋げられずとも、心を離したくない。
隣にいて欲しい。
出来れば、ずっと。
離れなくない。
離したくない。
もう一度、唇を合わせる。
きゅっとセーターの裾を掴む指に力が入ったような気がした。