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忘れられる、キスを
第48章 距離
やっとのことで通話ボタンをタップし、電話をかけた。
二度、三度…とコール音が不安を煽る。
『もしもし…星くん?』
「あ、えっちゃん先輩?」
久しぶりに聞く声に思わず心が浮き足立ってしまう。
「……え、っと…元気?」
間抜けな質問に、なあに、それ、とえっちゃん先輩が笑う。
『元気だよ。星くんは?』
「…ん、まあまあ」
中途半端な返事に、また先輩が笑う。
その声に自然と頬が緩んでしまう。
「年始、いつ帰ってくるの?」
『ん…四日の夕方、かな…』
ちょっと濁すような、はっきりしない言い方。
「初詣、行かない?」
『………何時になるか、分からなくて…』
まだ、避けようとしてる?
何で。
全然分からない。
「四日の四時」
一方的に神社の場所を告げる。
「待ってるから。先輩が来るまで」
『え、あの、星く………』
返事を聞かず、そのまま電話を切る。
ふっとガラス窓に映った自分の顔に苦笑いがこぼれた。
情けねー顔。
中学生じゃねーんだぞ。
不安な気持ちを振り払うように、かぶりをふる。
ちゃんと、会って、話したい。
えっちゃん先輩が何を思っているのか。
ちゃんと、聞きたい。
気合いを入れるように両頬をぱしっと叩いた。
二度、三度…とコール音が不安を煽る。
『もしもし…星くん?』
「あ、えっちゃん先輩?」
久しぶりに聞く声に思わず心が浮き足立ってしまう。
「……え、っと…元気?」
間抜けな質問に、なあに、それ、とえっちゃん先輩が笑う。
『元気だよ。星くんは?』
「…ん、まあまあ」
中途半端な返事に、また先輩が笑う。
その声に自然と頬が緩んでしまう。
「年始、いつ帰ってくるの?」
『ん…四日の夕方、かな…』
ちょっと濁すような、はっきりしない言い方。
「初詣、行かない?」
『………何時になるか、分からなくて…』
まだ、避けようとしてる?
何で。
全然分からない。
「四日の四時」
一方的に神社の場所を告げる。
「待ってるから。先輩が来るまで」
『え、あの、星く………』
返事を聞かず、そのまま電話を切る。
ふっとガラス窓に映った自分の顔に苦笑いがこぼれた。
情けねー顔。
中学生じゃねーんだぞ。
不安な気持ちを振り払うように、かぶりをふる。
ちゃんと、会って、話したい。
えっちゃん先輩が何を思っているのか。
ちゃんと、聞きたい。
気合いを入れるように両頬をぱしっと叩いた。