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忘れられる、キスを
第49章 キス
年始から慌ただしい日々はあっという間に過ぎ、その日はやってきた。
奇しくも、その日は二月十四日。
星くんと再会した日であり、私たちのこの関係の答えを出す、タイムリミットだ。

大学内のホールには開場時間ともなると、かなりの人が詰めかけていた。
なるべく人のいない席を選び座る。

そういえば、星くんは何を弾くんだろう。

年始にチケットを貰って別れてから、なんとなく連絡をしていなかった。
星くんからも音沙汰がなく、それも連絡をすることを躊躇う要因となっていた。

手元のプログラムを見ると、星くんの出番は中盤の方だ。
名前を見つけ、曲目を辿る。

シューマン=リスト「献呈」。

この曲はシューマンの歌曲「ミルテの花」の第一曲「献呈」をフランツ・リストがピアノ曲用に編曲をしたものだ。
「ミルテの花」はシューマンが妻・クララに向けて結婚前夜に贈ったと言われている。
情熱的な愛に溢れた、幸せな曲。

『えっちゃん先輩のためだけに、弾くから』

星くんのまっすぐな瞳を思い出し、とくんと鼓動が鳴る。

この曲を、私のために…?
どうしよう…自惚れそう…

急に恥ずかしくなって、顔が熱くなる。
一人でドキドキしていると、開演のブザーが鳴った。
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