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忘れられる、キスを
第52章 DVD
人の気配に気付いて振り返ると星くんが立っていた。
突然のことに何も説明できない。
『あ、ああっんっ、やあ…も、もっと…あ、だめ、イッちゃ…イッちゃう〜』
イヤらしい女の人の声に、はっと意識が現実に戻される。
星くんがぱっとリモコンを取って、映像を止めた。
しばし流れる沈黙。
「ご、ごめんなさい…天気予報見ようとしただけで…その、つけたら……」
上手く説明出来ずにもごもごと口ごもってしまう。
「え、あの、ごめん…片付けるから…その俺……DVD、入れっぱなしで…」
星くんが珍しく顔を紅くして、歯切れ悪く言う。
リモコンを操作して、ディスクを取り出し、テレビ台の下から取り出したケースにしまう。
『美人OL、社内でひとり……』と書かれたパッケージがちらりと見えた。
また、沈黙が流れる。
星くんも、こういうDVD、観るんだ…
そうだよね、男の子、だもんね。
………私じゃ、物足りない、よね。
そう思ったら、急に落ち込んでしまった。
いつも、気を遣わせてばっかりだ。
言葉にしなくても、分かる。
触れられる指先から、その優しさは痛いほど伝わってくる。
何度身体を重ねても、心にわだかまるほんの少しの恐怖心を星くんはいつも敏感に感じ取っているのだ。
突然のことに何も説明できない。
『あ、ああっんっ、やあ…も、もっと…あ、だめ、イッちゃ…イッちゃう〜』
イヤらしい女の人の声に、はっと意識が現実に戻される。
星くんがぱっとリモコンを取って、映像を止めた。
しばし流れる沈黙。
「ご、ごめんなさい…天気予報見ようとしただけで…その、つけたら……」
上手く説明出来ずにもごもごと口ごもってしまう。
「え、あの、ごめん…片付けるから…その俺……DVD、入れっぱなしで…」
星くんが珍しく顔を紅くして、歯切れ悪く言う。
リモコンを操作して、ディスクを取り出し、テレビ台の下から取り出したケースにしまう。
『美人OL、社内でひとり……』と書かれたパッケージがちらりと見えた。
また、沈黙が流れる。
星くんも、こういうDVD、観るんだ…
そうだよね、男の子、だもんね。
………私じゃ、物足りない、よね。
そう思ったら、急に落ち込んでしまった。
いつも、気を遣わせてばっかりだ。
言葉にしなくても、分かる。
触れられる指先から、その優しさは痛いほど伝わってくる。
何度身体を重ねても、心にわだかまるほんの少しの恐怖心を星くんはいつも敏感に感じ取っているのだ。