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忘れられる、キスを
第53章 ふたりぐらし
「絵津子さん、大丈夫?」

ガクガクと全身を震わせて達した後、耐えきれずに座り込んでしまった私の顔を星くんが覗き込む。
恥ずかしさが戻ってきて顔が上げられない。

「すごいエロかったし、かわいかったよ」

ちゅ、と額にキスをして、そのままベッドへと抱え上げられた。
馬乗りになった星くんの視線が頭の天辺から爪先まで走る。
再び、ちゅ、ちゅ、と首から胸、お腹…とキスが落ちてくる。

「パンツ、びちゃびちゃになっちゃったね」

下着の上からキスをされ、柔く歯を立てられた。

「や、そ、そんなとこ…」

帰ってきたばかりでお風呂も入っていない。
けれどもガッチリと足を掴まれている私には抵抗する術がなかった。

「いい匂いする…」

ひとしきり下着の上から舐め回されると、そのままするりと脱がされる。
ほらみて、と目の前で薄いブルーの下着が広げられた。
明らかに濡れて色が変わっている。

「やめてぇ…」

あまりの恥ずかしさに、顔を覆ってしまう。
顔が熱い。涙が出てきた。

「泣いてる絵津子さんもかわいいからつい…」

溢れた涙を舌で掬われる。

「続き、シよ?」

星くんがばさりとワイシャツを脱いだ。

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