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忘れられる、キスを
第53章 ふたりぐらし
***
引っ越しと部署異動が重なり、随分と慌ただしい日々が続いていた。
引っ越してからも、片付けや各種手続きに追われて休日もゆっくり過ごすことがままならない。
せっかく、えっちゃん先輩と一つ屋根の下、朝から晩まで過ごすことができるようになったのに。
引っ越して2週間、引っ越し前も含めると、1ヶ月以上も、出来ない日々が続いていた。
残業続きで帰るのが遅いのに、起きて待っててくれる先輩には感謝しかない。
これ以上は無理強い出来なかった。
フラストレーションも性欲も溜まる一方だ。
おまけに、俺の異動に少し遅れて新しい上司がやってきた。
あの、倉田先輩だ。
父親の会社だ、というのは聞いていたが、まさか、俺の上司になるとは…
「久しぶり、今日から宜しく」
数年前と変わらない爽やかな笑顔。
部署内の女性陣も俄かに沸き立つイケメン、ってやつだ。
数年前と変わったことといえば、倉田先輩の薬指にはプラチナの指輪が光っている。
婚約者がいる、みたいな話をしてた気がするけど、結婚したのか。
えっちゃん先輩が聞いたらどんな顔するかな…
想像したら少しだけ気持ちが落ち込んだ。
引っ越しと部署異動が重なり、随分と慌ただしい日々が続いていた。
引っ越してからも、片付けや各種手続きに追われて休日もゆっくり過ごすことがままならない。
せっかく、えっちゃん先輩と一つ屋根の下、朝から晩まで過ごすことができるようになったのに。
引っ越して2週間、引っ越し前も含めると、1ヶ月以上も、出来ない日々が続いていた。
残業続きで帰るのが遅いのに、起きて待っててくれる先輩には感謝しかない。
これ以上は無理強い出来なかった。
フラストレーションも性欲も溜まる一方だ。
おまけに、俺の異動に少し遅れて新しい上司がやってきた。
あの、倉田先輩だ。
父親の会社だ、というのは聞いていたが、まさか、俺の上司になるとは…
「久しぶり、今日から宜しく」
数年前と変わらない爽やかな笑顔。
部署内の女性陣も俄かに沸き立つイケメン、ってやつだ。
数年前と変わったことといえば、倉田先輩の薬指にはプラチナの指輪が光っている。
婚約者がいる、みたいな話をしてた気がするけど、結婚したのか。
えっちゃん先輩が聞いたらどんな顔するかな…
想像したら少しだけ気持ちが落ち込んだ。