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忘れられる、キスを
第8章 約束
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「星くん?入るよー」
俺が着替えているのを気にしてか、おずおずと顔を出す。
黒のタートルネックのセーターに、千鳥格子の膝丈より少し短いスカート姿。
モノトーンの先輩もとても可愛い。
てか、スカート、短くない?
黒のタイツに包まれたふくらはぎを凝視していたら、下から先輩に覗き込まれた。
「準備出来た?トイレ平気?」
言われた途端に痛み出す俺の腹。
あーほんと、情けない…
「外で待ってるね」
俺に気を遣ってか、そう言って玄関から出ていってしまう。
急いで済ませて、コートを羽織り、扉を開ける。
グレーのコートに、黒のショートブーツ。
厚めの紺のマフラーを巻いた姿は、もう今すぐ抱きしめたくなる。
なんでこんな、好きになってんだろ、俺。
「星くん、マフラーは?寒いよ?」
そういって、先輩は自分のマフラーを外すと、少し背伸びして、くるりと巻いてくれた。
あ、先輩に抱きしめられてるみたい…
ほのかに香る彼女の匂いで、むらむらとよからぬ感情が立ちのぼる。
「病み上がりなんだから、油断したらだめ」
まったくもう、と文句を言う姿は、なんか…
「お母さんみたい…」
「こんな大きくて手のかかる息子、いりません」
ふいっとそっぽを向かれ、一蹴される。
「手、繋いでてもいい?」
「男の子は成長すると、恥ずかしがって、お母さんとは繋ぎたがらないものよ」
「俺は、恥ずかしがらないタイプだから」
そう言って、手を取ると指先がかなり冷たくなっていた。
俺が着替えているのを気にしてか、おずおずと顔を出す。
黒のタートルネックのセーターに、千鳥格子の膝丈より少し短いスカート姿。
モノトーンの先輩もとても可愛い。
てか、スカート、短くない?
黒のタイツに包まれたふくらはぎを凝視していたら、下から先輩に覗き込まれた。
「準備出来た?トイレ平気?」
言われた途端に痛み出す俺の腹。
あーほんと、情けない…
「外で待ってるね」
俺に気を遣ってか、そう言って玄関から出ていってしまう。
急いで済ませて、コートを羽織り、扉を開ける。
グレーのコートに、黒のショートブーツ。
厚めの紺のマフラーを巻いた姿は、もう今すぐ抱きしめたくなる。
なんでこんな、好きになってんだろ、俺。
「星くん、マフラーは?寒いよ?」
そういって、先輩は自分のマフラーを外すと、少し背伸びして、くるりと巻いてくれた。
あ、先輩に抱きしめられてるみたい…
ほのかに香る彼女の匂いで、むらむらとよからぬ感情が立ちのぼる。
「病み上がりなんだから、油断したらだめ」
まったくもう、と文句を言う姿は、なんか…
「お母さんみたい…」
「こんな大きくて手のかかる息子、いりません」
ふいっとそっぽを向かれ、一蹴される。
「手、繋いでてもいい?」
「男の子は成長すると、恥ずかしがって、お母さんとは繋ぎたがらないものよ」
「俺は、恥ずかしがらないタイプだから」
そう言って、手を取ると指先がかなり冷たくなっていた。
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