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忘れられる、キスを
第9章 痕跡
私は自分の身体に戸惑っていた。

ドキドキと鼓動が早くなる。

スカートとタイツも脱ぎ、下着姿でベッドに倒れこむ。
ドキドキが止まらない。
ぎゅうっと、両腕で自分の身体を抱きしめる。

星くんの身体、硬くて、でもあったかかったな。

大きな手。
細長い指
柔らかな唇。
低い声。

私の身体を貪る星くんを思い起こす。
また、お腹の下の方がムズムズして、足を摺り合わせてしまう。

星くんとのことを思い出し、身体に触れる。
コンプレックスのある、小さな胸は、星くんの掌にすっぽり収まっていた。
左胸は優しく揉みしだかれ、親指で敏感な尖端をくりくりと弄られた。
右は…舌で…

一つ、一つ、思い出す。
下着の下から手をいれ、同じように優しく揉みしだくと、その頂上は既に硬く尖っていた。
親指の腹で、捏ねるように弄る。

「あっ…ああっ…」

ぴりぴりとした僅かな痛みと快感が背中を走る。
こんなの、だめ。
はしたないこと、やめなきゃ。
そう思っても、身体が言うことをきかない。
胸の尖端を弄る手が、止まらない。
お風呂で洗う時だって、こんな風に触ったことなかったのに。

星くんのせいだ。
じわっと涙が滲み、視界がぼやける。

ああ、こうして触れてくれるのが、倉田先輩だったら…

どくん、と身体が脈打つ。

先輩、だったら、どんな風に、触ってくれるの…?

そう思うと、またしても、お腹の下の方がきゅう…っと甘く痺れた。



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