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忘れられる、キスを
第11章 恋
「先輩、あの、私」

声が掠れる。
心臓の音がうるさい。

「言いたいことが、あって」
「うん」

先輩が優しく見つめる。
もう一度、深呼吸。

「私、先輩のこと、好き…です」

それだけようやく絞り出す。
恥ずかしくて、苦しくて、すぐに目を伏せてしまう。

息苦しいような、長い沈黙が流れる。

「………ごめん、君の気持ちには応えられない」
「そう…ですか……」

分かっていたことだった。
でも、心のどこかでは、もしかしたら…なんて期待もあった。
キリキリと心臓が締め付けられるように痛い。

「でも、ありがとう。深町さんの気持ち、嬉しかった」

泣きそうになって、涙を堪える。
だめだめ、泣くのは。
帰って、お風呂で全部流すんだから。

「あ…気にしないで…ください…私、その、ずっと、先輩のこと、気持ちに、け、決着をつけたくて…」

途切れ途切れに話す私の言葉を先輩は黙って聞いてくれた。
冷たい空気を肺にいっぱいに吸い込む。

「きいてくれて、ありがとうございました」
「うん、これからもーーーー」
「ここで、大丈夫です。今日はありがとうございました、さよなら…」

これからも、の続きを聞きたくなくて、くるりと背を向けて早足で駅へ向かった。

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