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忘れられる、キスを
第12章 真夜中
十分ほど歩いて、先輩の住むアパートに着いた。
鍵を開けたところで、先輩がぴたりと止まる。
「星くん、このあとどうするの」
「んー…漫画喫茶かファミレスで始発待とうかな…」
先輩の家の近所に来るのは初めてなので、始発まで時間を潰せる所があるかは分からなかったが、探せば一つくらい見つかるだろう。
そんな甘い考えを見通してか、先輩がはあ…とため息をついた。
「この辺は住宅街だから、そんなの無いよ」
そう言って扉を開ける。
「片付けてないけど…どうぞ。毛布貸してあげるから、床で寝てね」
「お、お邪魔します…」
期待していなかったわけではないけれど、まさか家に上げてくれるとは思わなかった。
玄関の隅に靴を寄せ、短い廊下を抜ける。
俺の住む部屋と似たような間取りの部屋だ。
先輩は、荷物を置くと、スーツ、掛けるでしょ、とハンガーを渡してくれた。
ふわりと漂う香りは、アロマかなにかなのだろう。
初めて足を踏み入れる先輩の部屋に俺は少しドキドキしていた。
「あの…星くん…」
「なんすか?」
「わ、私、着替えるから…ちょっとあっち行ってて…」
部屋着のようなシャツを持った先輩が言う。
「今日のカッコ、可愛いから、もう少しそのままでいて」
俺は再び先輩の手を握った。
鍵を開けたところで、先輩がぴたりと止まる。
「星くん、このあとどうするの」
「んー…漫画喫茶かファミレスで始発待とうかな…」
先輩の家の近所に来るのは初めてなので、始発まで時間を潰せる所があるかは分からなかったが、探せば一つくらい見つかるだろう。
そんな甘い考えを見通してか、先輩がはあ…とため息をついた。
「この辺は住宅街だから、そんなの無いよ」
そう言って扉を開ける。
「片付けてないけど…どうぞ。毛布貸してあげるから、床で寝てね」
「お、お邪魔します…」
期待していなかったわけではないけれど、まさか家に上げてくれるとは思わなかった。
玄関の隅に靴を寄せ、短い廊下を抜ける。
俺の住む部屋と似たような間取りの部屋だ。
先輩は、荷物を置くと、スーツ、掛けるでしょ、とハンガーを渡してくれた。
ふわりと漂う香りは、アロマかなにかなのだろう。
初めて足を踏み入れる先輩の部屋に俺は少しドキドキしていた。
「あの…星くん…」
「なんすか?」
「わ、私、着替えるから…ちょっとあっち行ってて…」
部屋着のようなシャツを持った先輩が言う。
「今日のカッコ、可愛いから、もう少しそのままでいて」
俺は再び先輩の手を握った。