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Platonic Love
第2章 美人さんとジュラシックパーク
女の人は俺の怒鳴り声にビックリはしなかった。
ビックリするどころか呆れたようにため息を吐き、『これだから男はダメなのよ』と吐き捨てた。
そしてスマホを取り出し、俺の腕から手を離しどこかへ連絡し出した。
本当に何がしたいんだこの人。
「あ、もしもし?清美だけど。あのさちょっと買い取ってほしい物があるんだけど」
「え?ちょっと?」
「宝石がついてるかは分かんないけど、多分そこそこいいやつ。多分ね」
「誰と話してるの?てか何勝手に売ろうとしてるの?」
「15分位でそっち行けるからさ。うん。待ってて」
「人の話聞いてる?」
俺の事なんてガン無視して女の人はとんとん拍子で話を進めていく。
その手際の良さに流されるだけだった。
「私の知り合いに高額で買い取ってくれる人がいるんです。今からその人の所に行きます」
「は!?」
女の人はそう言うと俺の手を勢い良く引いてタクシーを拾って放り投げるように乗せた。
もう拉致だよこれ。同じこと俺がやったら犯罪よ?
引かれた腕は痛いし、訳わかんないままどっかに連れ去られるし。
「運転手さん、西山ビルまで」
勝手に行き先指示するし。
俺は諦めて女の人に拉致られることにした。