この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
Platonic Love
第2章 美人さんとジュラシックパーク
で、結局どっちが払ったかと言うと……
「……あざーす」
「いいわよ。私が乗せたんだから」
彼女に払ってもらっちゃいました。
押しに負けた。
彼女はスタスタと歩き出し、俺の事など振り返らずに右に曲がり姿を消してしまった。
見失うと思って焦った俺は小走りで彼女を追いかけ、横に並んだ。
「あとどんくらいで着く?」
「1分もしないで着くわ」
カツンカツンとハイヒールを鳴らしながら風に髪をなびかせる彼女の横顔は、やっぱり美人だった。
気は強いけど容姿は100点満点だから、なんだか隣を歩く事にドキドキした。
「はい着いた。ここよ」
そう言って彼女は西山ビルと書かれたビルに入り、エレベーターのボタンを押した。
ちょっと古びたそのビルは埃っぽくて、いかにもヤバメな雰囲気を醸し出している。
「何階?」
段々と不安になってきた俺は涼しそうな顔でエレベーターが降りてくるのを待つ彼女に聞いた。
彼女はチラッと俺を横目で見ると、淡白に『3階』と答えて再び黙り込んだ。
流れる沈黙。なかなか降りてこないエレベーター。
うん。すごく気まずい。