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俺はキミだけに恋をする
第9章 spin-off 1 大野 司 × 三枝 彩音 編
『…………だからさ、軽い気持ちで付き合ってくれたらいいんだけど………』
『…………ちょっと離してっ………』
風に乗って、男女の声が聞こえてきた。
校舎裏のこの場所は、普段人気もないから、生徒の間では ”告白スポット” となっている。
女の子の方は明らかに嫌がっている声色で、しょーがねーなと思いながら、声のする方へ歩いて行った。
校舎の角を曲がって、目にしたのは、男に無理やり迫られて怯えている女の子 ──。
ではなく、
手首を捻り上げられて、痛がり悶えている男と、「あなたみたいな男、大っ嫌いなの」と啖呵を切る女の子だった。
ふと彼女と目が合う。
捻り上げている男の手を離すと、俺の方へ歩いてきた。
彼女が俺の側を通り過ぎる瞬間、強い風が吹いた ──。
彼女の長い髪がなびいて、シャンプーの香りが鼻孔をくすぐった。
それが、彼女との出逢いだった。
『…………ちょっと離してっ………』
風に乗って、男女の声が聞こえてきた。
校舎裏のこの場所は、普段人気もないから、生徒の間では ”告白スポット” となっている。
女の子の方は明らかに嫌がっている声色で、しょーがねーなと思いながら、声のする方へ歩いて行った。
校舎の角を曲がって、目にしたのは、男に無理やり迫られて怯えている女の子 ──。
ではなく、
手首を捻り上げられて、痛がり悶えている男と、「あなたみたいな男、大っ嫌いなの」と啖呵を切る女の子だった。
ふと彼女と目が合う。
捻り上げている男の手を離すと、俺の方へ歩いてきた。
彼女が俺の側を通り過ぎる瞬間、強い風が吹いた ──。
彼女の長い髪がなびいて、シャンプーの香りが鼻孔をくすぐった。
それが、彼女との出逢いだった。