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俺はキミだけに恋をする
第9章 spin-off 1 大野 司 × 三枝 彩音 編
「大丈夫?」
俺は彼女に手を差し伸べた。 だけど、彼女は自分で立ち上がると、
「私は大丈夫。彼女、追いかけなくていいの?」
と言った。
「手……怪我してる」
突き飛ばされた時に着いた手の平から、僅かだけど血が滲んでいる。
「あ………大丈夫。このくらい」
「保健室に行こう」
俺は彼女の手首を掴んで、歩き出した。
「あの………大野くん、部活は………っ」
「いいよ」
「ひとりで保健室行けるから……っ」
「いいから」
保健室に入ると、そこに先生の姿はなく、俺は彼女を座らせて消毒液を手に取った。
部活で怪我することはしょっちゅうあるから、手慣れてる。
「あの………ごめんね」
彼女が小さな声で言った。
「なんで三枝さんが謝るの?」
「……………」
「あいつには後でちゃんと謝らせるから」
「いいの!気にしてないから。あの……手当てありがとう」
彼女がにこっと微笑んだ。
初めて見る、彼女の笑顔だった ──。
俺は彼女に手を差し伸べた。 だけど、彼女は自分で立ち上がると、
「私は大丈夫。彼女、追いかけなくていいの?」
と言った。
「手……怪我してる」
突き飛ばされた時に着いた手の平から、僅かだけど血が滲んでいる。
「あ………大丈夫。このくらい」
「保健室に行こう」
俺は彼女の手首を掴んで、歩き出した。
「あの………大野くん、部活は………っ」
「いいよ」
「ひとりで保健室行けるから……っ」
「いいから」
保健室に入ると、そこに先生の姿はなく、俺は彼女を座らせて消毒液を手に取った。
部活で怪我することはしょっちゅうあるから、手慣れてる。
「あの………ごめんね」
彼女が小さな声で言った。
「なんで三枝さんが謝るの?」
「……………」
「あいつには後でちゃんと謝らせるから」
「いいの!気にしてないから。あの……手当てありがとう」
彼女がにこっと微笑んだ。
初めて見る、彼女の笑顔だった ──。