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俺はキミだけに恋をする
第10章 SS* 『聖なる夜に甘いkissを♡』
「………相変わらずだな」

「そうだね」


……まぁ、いっか。桜と二人になれたし。


大野と三枝が置いていった紙袋の中には、クリスマスケーキの箱が入っていた。


早速コーヒーを入れて、ケーキを切り分ける。

「おいしいね」

「うん」

「私も涼にプレゼントがあるの!」

「俺も!」


俺たちはお互いにプレゼントを差し出した。



「「…………」」


同時に差し出された包みを見て、俺も桜も一瞬固まってしまった。


それは同じショップの包み。


若干の戸惑いの空気が流れる。


「え……と、はい」

「ありがとう」

包みを交換して、リボンをほどいた。

「………ふふっ」

「………ははっ」



── まさかこんなことがあるなんて。


それは、同じショップの手袋。
色は違うけれど、同じデザインのものだった。


「涼。ありがとう」

「うん。桜もありがとう。……まさか同じもの選ぶなんてな」

「これ見たときね、きっと涼に似合うと思ったの」

そう言って桜は微笑んだ。

「俺も、桜に似合うと思ったんだ」


この小さな奇跡に、俺の胸は温かくなっていた。
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