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愛玩寵姫 - Dream Dolls - 茉奈
第4章 ●わたしの声が漏れていく…
「――大丈夫!?」
男を茉奈から引き離して『牡丹』は叫んだが、男は再び、茉奈のほうへ、虚ろな目をして向かってくる。『牡丹』は苦い顔をすると、手にした大き目の化粧ポーチから、何か香水のようなものを取り出し、男に吹き付けた。
――プシュぅッ!
小さな破裂音とともに、わずかな量の液体が男の顔にかかる。
すると男は、荒い息をしたまま、その場に立ち止り、やがて、ゆっくりと壁にもたれかかると、そのままぐったりと、眠り込んでしまった。
(……何…!?今のは…何なの…怖い…!)
ガクガクとひざを震わせながら怯える茉奈に、牡丹はポーチを床にかなぐり捨てて、駆け寄った。化粧ポーチからバサッ、と中身が広がる。
「茉奈ちゃん。大丈夫?」
「……怖かっ…た…」
「…この人は、私がうまく誤魔化しておくから。シャワーを浴びて、部屋に戻ってなさい」
「……今のは…なんなの」
「……。」
牡丹は一瞬口ごもると、無理に笑顔を作るようにして言った。
「…話は後にしましょう。まずはシャワーを浴びて。ね。」
「…う、うん…」
「そうそう、部屋の窓を開けておいてね」
「……う、うん…。」
訳もわからず頷く茉奈。牡丹は、男を廊下に横にして寝かせ、何やら小細工を始めたようだ。その時、部屋に戻ろうとした茉奈の視線の先に、散らばったポーチの中身が目に入った。
―― 蘇我製薬 サイエンス2部 春日麻耶
そう書かれた名札が、女――『牡丹』の化粧ポーチから覗いていた。
男を茉奈から引き離して『牡丹』は叫んだが、男は再び、茉奈のほうへ、虚ろな目をして向かってくる。『牡丹』は苦い顔をすると、手にした大き目の化粧ポーチから、何か香水のようなものを取り出し、男に吹き付けた。
――プシュぅッ!
小さな破裂音とともに、わずかな量の液体が男の顔にかかる。
すると男は、荒い息をしたまま、その場に立ち止り、やがて、ゆっくりと壁にもたれかかると、そのままぐったりと、眠り込んでしまった。
(……何…!?今のは…何なの…怖い…!)
ガクガクとひざを震わせながら怯える茉奈に、牡丹はポーチを床にかなぐり捨てて、駆け寄った。化粧ポーチからバサッ、と中身が広がる。
「茉奈ちゃん。大丈夫?」
「……怖かっ…た…」
「…この人は、私がうまく誤魔化しておくから。シャワーを浴びて、部屋に戻ってなさい」
「……今のは…なんなの」
「……。」
牡丹は一瞬口ごもると、無理に笑顔を作るようにして言った。
「…話は後にしましょう。まずはシャワーを浴びて。ね。」
「…う、うん…」
「そうそう、部屋の窓を開けておいてね」
「……う、うん…。」
訳もわからず頷く茉奈。牡丹は、男を廊下に横にして寝かせ、何やら小細工を始めたようだ。その時、部屋に戻ろうとした茉奈の視線の先に、散らばったポーチの中身が目に入った。
―― 蘇我製薬 サイエンス2部 春日麻耶
そう書かれた名札が、女――『牡丹』の化粧ポーチから覗いていた。