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愛玩寵姫 - Dream Dolls - 茉奈
第6章 ●わたしは普通にもどれない…
「もうあまり時間がないわ」
春日は真剣な目で茉奈に告げた。
「『薬』を飲まなければ貴女の身体がどうなるかは……分かったでしょう」

茉奈はあの、身体の奥からくる疼きを思い出して身震いする。

「この薬は、あなたのお父様が用意したものととても似ているもの。この薬を、飲んで欲しいの。コレならば、私達の研究室から貴女に、定期的に渡してあげることができるわ。ーーでも、少しの副作用があるの。」
「副作用?」

春日の話はこうだった。

この水色の薬は、一種の媚薬、つまり、愛玩寵姫を作るための薬だということ。しかし、茉奈の父が作ったものよりも完成度が低く、僅かではあるが、服用者に対して、身体の反応を敏感にする作用と、体液からの媚薬の拡散作用がある、とのことだった。

ひと通りの説明をした後に、春日は続けた。

「ーーでも、心配しないで。媚薬の拡散作用といっても、貴女の身体が反応したとき…、つまり、感じた時、以外は、殆どの人には影響がないわ。すごく近づいた異性でもない限り、日常生活に影響はないはずよ。」

茉奈の身体の熱は、少しづつ上がってきている。
どうやら茉奈には、選択権はないようだった。

「けど……。私の身体にも、影響が、あるんでしょう…?」

不安そうに茉奈が呟く。

「…確かに、ゼロというわけにはいかないわ。でも、薬を飲まなければ、貴女は…。」

確かに、薬を飲まなかったあの時の体内の疼きは尋常ではなかった。身体が敏感になる、どころではなく、日常生活なんて到底送れないだろう。

(…でも、やっぱり怖い……)

戸惑っている茉奈に、春日は提案した。

「不安なのね。なら、私が飲んで見せるわ。この薬。それなら、怖くない?」
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