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愛玩寵姫 - Dream Dolls - 茉奈
第6章 ●わたしは普通にもどれない…
薬を飲んで、しばらく、茉奈は自らの身体の反応に集中していたが、とくに、何の変化もない。少なくとも、危険な薬ではなさそうだった。
身体が落ち着いてくると、茉奈はこれからの生活はどうなるのだろう、と、おぼろげに考えた。
父も母も居なくなった。学校に通い続けることはできないのだろう。それに、この薬を手放す日も、来ないのだろう。
(これから、どうしたらいいんだろう……)
茉奈はその黒い瞳を伏せ、うつむいた。
「ご両親のことを、考えているの?」
春日の問いかけに、茉奈ははっとして顔を上げた。
「ご両親はもう、帰ってこない。でも、最後に私に、あなたを頼む、と。」
「……あなた、に?」
「そう。詳しくは明かせないけれど…、私は貴女のお父様に大きな、そう、大きな恩があるの。これから貴女は、蘇我製薬に迎えられる。『愛玩寵姫』の研究体として。そして、小泉博士の娘として。私に出来ることは多くはない。でも……」
春日はまっすぐ茉奈を見つめ、言った。
「これだけは信じて。私は貴女の、味方だから。」
(もう、後戻りはできない…。このひとを、信じるしかない。)
「わかったわ。春日さん。」
茉奈は、力強くうなづいた。
身体が落ち着いてくると、茉奈はこれからの生活はどうなるのだろう、と、おぼろげに考えた。
父も母も居なくなった。学校に通い続けることはできないのだろう。それに、この薬を手放す日も、来ないのだろう。
(これから、どうしたらいいんだろう……)
茉奈はその黒い瞳を伏せ、うつむいた。
「ご両親のことを、考えているの?」
春日の問いかけに、茉奈ははっとして顔を上げた。
「ご両親はもう、帰ってこない。でも、最後に私に、あなたを頼む、と。」
「……あなた、に?」
「そう。詳しくは明かせないけれど…、私は貴女のお父様に大きな、そう、大きな恩があるの。これから貴女は、蘇我製薬に迎えられる。『愛玩寵姫』の研究体として。そして、小泉博士の娘として。私に出来ることは多くはない。でも……」
春日はまっすぐ茉奈を見つめ、言った。
「これだけは信じて。私は貴女の、味方だから。」
(もう、後戻りはできない…。このひとを、信じるしかない。)
「わかったわ。春日さん。」
茉奈は、力強くうなづいた。