この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
愛玩寵姫 - Dream Dolls - 茉奈
第7章 ■お屋敷へ…
車はしばらく、走り続けていた。
郊外に向かっているような印象はあったが、もはや、周囲は茉奈の知らない景色だった。
――― ドクン、ドクン、ドクン……
茉奈は車の中で、自分の鼓動が高まっていくのを感じていた。
例の水色の錠剤の副作用か、それとも、新しい生活に飛び込む、緊張感のせいか。
洸弥は、無言で運転を続けている。春日は助手席に座り、こちらも無言である。
後部座席には、慎弥と茉奈が並んで座っている。
「お疲れではありませんか」
慎弥が優しく語り掛ける
「平気、です。」
「すみません、こんなに急がせてしまって。父は…まぁ僕もですが、せっかちなんですよ。経営者らしいといえばそうなんでしょうが」
「これから、私はお父様とお会いする…んですよね」
「そうです。茉奈さんのご両親のことは……いずれ、何時になるかは分かりませんがいずれ必ずご説明いたします。今は、まず父に会ってください。貴女と会うのを、ずいぶん前から楽しみにしていたんです」
「……わかり、ました。」
(どんな顔をして会えばいいんだろう…)
迷う茉奈だったが、しかし、自分がその「蘇我製薬のトップ」に気に入られなければならない、ということだけは分かった。父と母の行方も、自分がこのような身体になってしまったことへの疑念をぶつけるのも、全てはまず、相手の懐に入ってからだ。
――― ドクン、ドクン、ドクン!
鼓動が早くなってくる。お嬢様育ちで、躾は行き届いているとはいえ、まだ世間知らずの、甘えん坊な少女であった茉奈は、はじめて、自分一人で複雑な事態に立ち向かわなければならないこの状況に、内心怯えていた。
郊外に向かっているような印象はあったが、もはや、周囲は茉奈の知らない景色だった。
――― ドクン、ドクン、ドクン……
茉奈は車の中で、自分の鼓動が高まっていくのを感じていた。
例の水色の錠剤の副作用か、それとも、新しい生活に飛び込む、緊張感のせいか。
洸弥は、無言で運転を続けている。春日は助手席に座り、こちらも無言である。
後部座席には、慎弥と茉奈が並んで座っている。
「お疲れではありませんか」
慎弥が優しく語り掛ける
「平気、です。」
「すみません、こんなに急がせてしまって。父は…まぁ僕もですが、せっかちなんですよ。経営者らしいといえばそうなんでしょうが」
「これから、私はお父様とお会いする…んですよね」
「そうです。茉奈さんのご両親のことは……いずれ、何時になるかは分かりませんがいずれ必ずご説明いたします。今は、まず父に会ってください。貴女と会うのを、ずいぶん前から楽しみにしていたんです」
「……わかり、ました。」
(どんな顔をして会えばいいんだろう…)
迷う茉奈だったが、しかし、自分がその「蘇我製薬のトップ」に気に入られなければならない、ということだけは分かった。父と母の行方も、自分がこのような身体になってしまったことへの疑念をぶつけるのも、全てはまず、相手の懐に入ってからだ。
――― ドクン、ドクン、ドクン!
鼓動が早くなってくる。お嬢様育ちで、躾は行き届いているとはいえ、まだ世間知らずの、甘えん坊な少女であった茉奈は、はじめて、自分一人で複雑な事態に立ち向かわなければならないこの状況に、内心怯えていた。