この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
愛玩寵姫 - Dream Dolls - 茉奈
第8章 ■旦那様…
(……また…真っ暗……)
暗闇の中手をひかれ、少しずつ歩いてゆく。前で扉があく気配。足の裏に触れる絨毯の感触が変わる感じ…。
そして、2回ほど、小さな階段を下った。
(……地下室なのかしら…)
気が付くと、周囲には音がない。進んでいく4人の足音だけである。
不安になった茉奈は、慎弥の手を少し強く握る。それに、慎弥が力強く握り返してくれる。
そんな小さな気遣いに安心し、また、慎弥の手を頼りに、進んでいく。
扉があく気配がし、ふと、甘い香りが漂ってきた。
そして、低い男の声が、響いた。
「――― ほう。」
男の声は名乗らなかったが、これが蘇我製薬のトップであろうことは茉奈にも想像がついた。
目隠しはまだ外されていない。