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第1章 初めまして、変態さん【完】



不意に、目の前に
陰ができた。

人が立ったのだ。


サラリーマン風な
スーツを着た男性。

チラッと視線を上にあげた。


「謙二さん…っ」

「覚えててくれたんだね
 美弥ちゃん」


にっこり笑う謙二さん。

私はどこか、照れくさくて
視線を外した。


「今朝は、痴漢に
 遭わなかったみたいだね」


耳元でソッと囁かれた言葉。

私はその言葉に
耳を疑った。


なんで、毎朝の様に
痴漢に遭ってる事を知ってるの?

確かに、一度
助けて貰ったけど…


なんで、今朝はなかったって
知ってるの…?



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