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恋花火
第29章 雨上がりのレインボー
私の家に着いたので、解散。


……のハズが。


「タケル&イケメン君。今夜は暇か?」


とかって、いきなり玄関から現れたおじいちゃんからのお誘い。


「いや!お暇じゃないから!」


私の抵抗虚しく、「さぁさぁ」と、しつこい勧誘もあって、陸先輩が我が家のリビングに……


ついでにタケルも。


「だからついでってなんなんだよ!」

「心の声もれてた?」

「モロにな!」


くっそ!と言いながら、タケルは慣れた感じでリビングのソファーに座った。


「タケル、お客様に飲み物お出しして。」

「ジジイ自分で出せよ!」


ブツブツ言いながら、これまた慣れた感じでタケルはコップやら飲み物やら、枝豆を出してきた。


その光景を見て陸先輩も笑ってる。


笑うしかないよね……。


「ごめんなさい…陸先輩…」


コッソリ謝る私に、「楽しいよ」って返事。


なんかもう私泣きそう。


「陸先輩、ジジイに注がれたものは飲まない方がいいっすよ。」

「なんで?」

「酒です。なので飲まないでください!」


タケルは必死に説明をする。


そう、タケルはおじいちゃんに何度もはめられて酔っ払っている。


実は私も高校入学時に、一度やらかしている。


「今俺たち大会迫ってるし!酒は絶対ダメ!」


チャラチャラしてそうだけど、実は真面目なタケル。


そういうところが、本当に好き。


……だった。


もう、過去形だよ。


久しぶりに私の家にタケルがいるから


ちょっとだけ懐かしい気持ちになっただけで


今は全然違うから。
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