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恋花火
第29章 雨上がりのレインボー
「陸先輩寝ちゃったな」


タケルのそばで、転がって寝ちゃった陸先輩に毛布をかけた。


……今日は、疲れたよね。


しかもお熱だったのに、たくさん振り回してしまった。


「あとで起こすから、少しだけ寝させてあげよう。」


タケルはそう言ってウーロン茶をグイッと飲んだ。


「……ねぇ、タケル痩せたよね。」

「そ?」

「うん。レンと自主練してるんでしょ?あんまり無理しないでよ。」

「うわ。誰だよバラしたの。」

「ふふ。美波。」

「口軽っ!」


秘密って言ったのに、と、タケルは不満そうに呟く。


「秘密にしたかったの?」

「おー。努力を見せないのが天才だからな。」

「そうなの?」

「そう。」


独特の持論を展開するタケルは、いつにも増して話が長い。


「……あ。言うの忘れてた。」

「ん?」

「スタメン入り、おめでとう。」


最近は色々ありすぎて、言えずにいた祝福の言葉。


するとタケルは喜ぶかと思ったのに……


「プレッシャーかけんなバカ。」って。


「まーたあんたは!いつもバカバカって!」

「ブスとバカどっちがいい?」

「うーん、どっちかって言うと……どっちもやだし!」


ひゃはは〜って、タケルが無邪気に笑った。


「……ブスでもバカでも、陸先輩の彼女だからなぁ。」

「そうだよ!」

「そうなんだよなぁ」


そこからは無言……


陸先輩のスースーとした寝息だけが、耳に届く。


タケルとの無言は普段気にならないけど


やたらと真剣な顔で黙ってるから……



「な、なんか喋って。」

「なんかって何。」

「わかんないけど……」

「なんだそりゃ。」


フッとタケルが笑う。


……タケルって、こんな優しい顔して笑うっけ。


「ごめんね……。」


ごめんという言葉は言わないつもりだったけど


優しい顔のタケルを見ていたら思わず……


「なに?ごめんって。」

「わかんないの?」

「思い当たる節がありすぎてわからん。」

「茜先輩とのことだよ。……私勘違いしすぎてて、たくさんひどいこと言っちゃった。」

「大嫌いって言ってたよな〜」

「ええ、言いました。」

「もう話しかけんなとか?」

「言いました…」



もう、数え切れないくらい


たくさんのひどいことを言った。
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