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恋花火
第36章 壊れた積み木
「……陸先輩に怒られっかな。」


満員電車のため、故意ではなく身体が密着する。


久しぶりにタケルにくっついたら


なんか……


「懐かしいな」

「え!?」


私の考えてることと、全く同じことを言われたので驚いた。


タケルと一緒に登校してたとき


よくこうして守ってくれてたよね


満員電車の重圧から


痴漢から


「タケル……」


きっと私の声は雑踏に消え入るほど小さい。


けれどタケルには聞こえたんだと思う。


"ありがとう"


タケルは、ニコッと笑ってくれた。




「……二川原さんと、うまくやってる?」

「それなりに。」

「そっかぁ。」

「なんだよ。」

「別にー」


言いたいと思った


二川原さんは浮気してるよって


……だけど、それをタケルに伝えてもどうにもならない。


今、話すべきは


二川原さんの方だと思った。






「二川原さん」


学校について


私は二川原さんを呼び止めた。
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