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恋花火
第37章 トラブルメーカー
コーチが車を出してくれて、私たちは最寄りの病院へと向かった。


みるみるうちにタケルの脚は腫れ、病院に着く頃には元の倍ほどになっていた。


「いっ!…たくないし〜全然〜」

「…無理しなくてもいいよ。」


痛くないと言い張るタケル。


痛いときほど強がるのは、昔から変わってないね。


……あれはいつだったか。


試合で同じように怪我をして


痛くないと言い張りながら、ボロボロと瞳から涙を流していた事もあったね。


「中三の時の引退試合。覚えてる?」

「え?」

「俺が足首やっちゃったとき。」


全く同じときの事を思い出していて、驚く。


「覚えてるよ。」

「あの時もおまえに止められたな。」

「……そうだっけ。」

「うん。おまえどっかからすっ飛んできてさ。顧問もチームの奴らも、まだいけんだろって言ってんのに……おまえだけは、反対してたな。」

「……。」

「あのとき無理して試合出てたら、もうサッカー出来なくなってたって、あとから医者に言われたんだ。」


タケルは懐かしそうに呟いて、私を見た。


それも、初めて見たってくらいに、優しい瞳で。


「俺、まだまだサッカーやりたい。」

「うん。」

「そんで、ヤベー時は、菜月に止めてもらいたい。」

「…殴ってでも止めるからご安心を。」

「よろしく 笑」


こうしてタケルとゆっくり話したのは、すごく久しぶりだなと思った。


ずっと忘れていた場所を、ようやく思い出したような


そんな気持ちになった。








「大石!松下!勝ったぞ!」


付き添いのコーチが、私たちにそう告げてきた。


「うお!マジっすか!」

「おまえの受けたファールで相原がFK決めて、そのまま2-0で勝利!」

「おー!!」


盛り上がるコーチとタケル。


陸先輩が決めたんだ。


タケルの受けたファールの仇をとってくれたんだね。


「泣くのはまだはえーぞ。明日が決勝だからな。」


タケルはそう言って


私の頭をぐしゃぐしゃと撫でた。
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