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恋花火
第37章 トラブルメーカー
その後の診察で、タケルの膝の半月板にヒビが入ってるということがわかった。
数日の間入院、そして少しだけリハビリをしたら、あとはまた元のように走れると医者が言った。
「よかった。またサッカーが出来る。」
タケルは子どもみたいな顔で笑った。
しばらくして、陸先輩とレンと美波が病室へやってきた。
「ギプスしてるー」
「ちょっとだけな。あっ!おまえ何書く気だよ!」
レンは黒マジックでいたずら書きをしていた。
「陸先輩、おめでとうございます。」
「いや、タケルのおかげだから。」
「陸先輩じゃなきゃFK決めれてないですよ。」
もしタケルがFKなら、絶対外してると思う。笑
そもそも蹴らせてもらえないかも。笑
「タケル。西高の奴がおまえに謝りたいって言ってきてたぞ。」
「マジっすか。まぁワザとじゃないし、いいっす。」
……今日のはワザとだと思ったけど
タケルは謝罪なんかいらないと言った。
「まだサッカーやれるんで、大丈夫。」
あの、タケルが、大人になっちゃった。
切れたナイフみたいな、いつでも臨戦態勢だったタケルが。
「えー。そんなんでいいのー?」
ドアから、二川原さんが登場した。
「あたし納得いきません。相原先輩なら、なんとか出来るんじゃないですか?」
二川原さんは、陸先輩に詰め寄った。
「例えば、サッカー協会に訴えるとか。そうすれば審議にかけられますよ。」
「それは……」
「部員が傷つけられて、キャプテンとして許しておくんですか?」
二川原さんの言うことは、間違ってはいない。
だけど……
「二川原、いいんだよ。」
「……タケル君。」
「スポーツやってればそんな事もある。俺だってファールギリギリの事する時あるし。今日はたまたま、俺が交わせなかっただけ。」
「でも……痛いでしょ?可哀想だよ……」
二川原さんはポロポロと涙を流した。
なんて綺麗に泣くんだろう。
いつも鼻水を垂らして泣く私とは、大違いだ。
数日の間入院、そして少しだけリハビリをしたら、あとはまた元のように走れると医者が言った。
「よかった。またサッカーが出来る。」
タケルは子どもみたいな顔で笑った。
しばらくして、陸先輩とレンと美波が病室へやってきた。
「ギプスしてるー」
「ちょっとだけな。あっ!おまえ何書く気だよ!」
レンは黒マジックでいたずら書きをしていた。
「陸先輩、おめでとうございます。」
「いや、タケルのおかげだから。」
「陸先輩じゃなきゃFK決めれてないですよ。」
もしタケルがFKなら、絶対外してると思う。笑
そもそも蹴らせてもらえないかも。笑
「タケル。西高の奴がおまえに謝りたいって言ってきてたぞ。」
「マジっすか。まぁワザとじゃないし、いいっす。」
……今日のはワザとだと思ったけど
タケルは謝罪なんかいらないと言った。
「まだサッカーやれるんで、大丈夫。」
あの、タケルが、大人になっちゃった。
切れたナイフみたいな、いつでも臨戦態勢だったタケルが。
「えー。そんなんでいいのー?」
ドアから、二川原さんが登場した。
「あたし納得いきません。相原先輩なら、なんとか出来るんじゃないですか?」
二川原さんは、陸先輩に詰め寄った。
「例えば、サッカー協会に訴えるとか。そうすれば審議にかけられますよ。」
「それは……」
「部員が傷つけられて、キャプテンとして許しておくんですか?」
二川原さんの言うことは、間違ってはいない。
だけど……
「二川原、いいんだよ。」
「……タケル君。」
「スポーツやってればそんな事もある。俺だってファールギリギリの事する時あるし。今日はたまたま、俺が交わせなかっただけ。」
「でも……痛いでしょ?可哀想だよ……」
二川原さんはポロポロと涙を流した。
なんて綺麗に泣くんだろう。
いつも鼻水を垂らして泣く私とは、大違いだ。