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恋花火
第38章 rainy day
試合は、昨日の準決勝よりもみんないい動きをしていた。


「俺いなくてもいいんじゃね、とか思っちゃうよなー」

「は?なにそれ。」

「みんなの足引っ張ってたからさ。」

「そんなこと……」

「ないって言えないだろ?」

「そりゃあね?イエローギリギリのファールするし、ハラハラはした。だけど一年生なのに負けてなかった。」

「あっそ。」


聞いときながらその反応ね。まぁいいけど。


ご機嫌かと思えば、泣きそうな顔になって、急に不機嫌。


男ゴコロも難しいね。


そして後半。


4-0でロスタイムに突入。


そしてそのまま試合終了。


私たちの高校が優勝した。


11年連続地区大会優勝


そして、全国大会に出場する。


「……タケル。」

「ん?」

「見てよ、ここ。」


画面の脇に映り込んだ控えのベンチ


そこには、タケルのユニホームが飾られてあった。


「……タケルは絶対うちのチームに必要だから。」

「……。」

「全国大会には間に合うように、早く怪我治そう。」


そう言うとタケルは返事の代わりに


グッと腕を掴んできた。


「……な、なんですか?」


振り返ると、タケルは俯いたまま、何も言わない。


「腕、痛いんですけど……」


私も陸先輩のこと言えないな。動揺すると敬語になるという……


「タケル…どうしたの?脚痛いの?ナースコールで呼ぶ?」

「……呼ばなくていい。」

「なんか泣きたくなった?いいよ、泣いても。今誰もいないし、私しか。」


するとタケルは顔を上げて


泣きそうもない強い瞳と、目が合った。
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