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恋花火
第41章 Bom!
「……あんなブスしらねぇ。」
この後に及んでなんてことを。
「またぁ。好きなくせにー。」
「ちげーし。やだよあんなの。」
「ほんとに違うの?」
「うん。」
あんなのって!!
「それにしても、あんなに押されてるタケル初めて見たわー。」
タケルと亜美のやり取りを聞いて、美波は他人事のように言った。
「タケ……もごもご」
「あんたが行けばややこしくなる。」
文句を言いに行こうとしたら、美波に口を塞がれた。
亜美の発する言葉によって
私はどんどん混乱していく。
「でもさぁ、テニス部の後輩も言ってたよ。タケルとエッチしたかったーって。モテモテだね〜。ねぇ、もしフリーならまた私と付き合わない?」
傍観していた美波からも、息を飲む音が聞こえてくる。
"タケルはあんたじゃなきゃ、SEXする気になんないのよ"
そんなはずないと何度も頭でかき消した言葉
「……無理。」
ようやくタケルが発したのは、たった一言で。
「えー、なんで?お互いフリーなら……」
そのあとのタケルの言葉は
亜美の言葉よりもビックリさせられた。
……というか、今までの人生で、一番ビックリさせられた。
「俺、高校辞めて東京行くから。」
もうこっちにいなくなるんだよね。
タケルはボソッと
そう呟いた。