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恋花火
第6章 シーサイドにて
おでこにひやりと冷たい感触


ハッとして目を開けると、見たことない天井。


目だけを動かして周囲を見回すと、そこは医務室らしき場所だった。


「目さめた?」


どこからか、茜先輩が現れた。


「えっ…私なんで…」

「あ、まだ起き上がったらダメだよ。」


起き上がろうとする私を、茜先輩が止める。


「菜月ちゃん、熱中症になりかけてたんだよ。」

「え!?」

「私がちゃんとフォローしてなかったから…。ごめんね。」


いつ倒れたのかとか、全然記憶にはないけれど、目の前がグルグル回ったことは覚えている。


「まだ休んでていいからね。」

「いや、行きます!もう大丈夫です!!」


急いで身体を起こすと、また、クラクラ…。


「ほら、まだ休んでて。今ね、あまりにも気温が高すぎて練習も一時中断しているの。だから菜月ちゃんもゆっくり休んでて。」

「でも…」

「いいから。明日はみんなで海だよ?菜月ちゃん行けないと仲良しのタケルくん寂しがっちゃうよ。それに私も、菜月ちゃんいないと寂しいな。」


茜先輩が、そんなかわいいことを言ってくるので、私はもう、従うしかないわけで…。


強化合宿のあとは、部員みんなで海に行くのが通年の恒例らしいので、私ももちろん水着も用意済み。


「じゃあ…、ちゃんと休みます。」

「お利口さん。」


ふわぁ〜!


茜先輩にはほんと頭があがりません…。


可愛すぎです。笑
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