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恋花火
第46章 繋いだ手
振り返ると、タケルの唇はすぐそこにあって


私はその唇にキスをした。


高ぶる感情を持て余し


狂ったように唇を重ねた。


タケル


好き


好き


大好き


この溢れる気持ちを、どうやってコントロールしたらいいの?


私のそんな想いを受け取るかのように、タケルもまた、舌を絡めてきた。


首筋には、先日陸先輩に刻まれた赤い印がある。


タケルはその赤い印を、強くなぞるように舐めた。


「ああっ」


そしてそのまま、鎖骨から胸に滑る舌先。


それにより、私の身体はビクビクと跳ねた。


「……可愛い。」


そうだった。


タケルは、気持ちよすぎておかしくなっちゃう私を、いつもこうして可愛がってくれる事。


タケル


大好き


もう、どこにもいかないで


喉まで出かかった言葉を飲み込む。


強く想えば想うほど


簡単には言葉にできないみたいだ。


言わなくてもきっと、私の気持ちはタケルに届いている。


……だって


タケルの手が、まるで宝物を触る時のように


優しく、愛しく動くから。
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