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恋花火
第48章 Do not cry

いきなりのタケルの登場に驚いた。
しかもなんか、空気読んでないっていうか……
「好きじゃない。」
は???
たぶん、その場にいた全員が頭にハテナが浮かんでたと思う。
「菜月のことは別に好きでも何でもない。」
目の前が真っ白になった。
どういうこと?
私はてっきり、タケルとは気持ちが通じ合ったのかと思っていた。
それはただの妄想だと、勘違いも甚だしいというかのように
タケルは冷たい目で私を見てきた。
「俺、いなくなるし。今さらどうもこうもねーよ。」
……そういうこと。
それを聞いて郁さんは、あははと笑った。
「もーまじ最高だね、君。」
そう言って郁さんはタケルの背中をポンと叩いた。
「は?触んじゃねー誰だよおまえ。」
「んー、しいていうなら他人?」
「他人だったら口挟むなよバーカ」
憎まれ口を叩くいつものタケル。
だけど私の耳には右から左。
何も頭に入っていかない。
笑っている郁さんの顔だけが見えた。
「……なに言ってんの、おまえ」
陸先輩の低く冷たい声が聞こえてきた。
「菜月ちゃんの気持ち知ってて……」
どこまでも優しい陸先輩は、こんな時まで、優しい。
なのにそんな陸先輩と別れてまで
なんで私はこの男にすがりつきたいと思うのだろう。
「タケル……ほんと?ほんとにそう思ってるの?」
私の問いかけに、タケルは少し間を置いて頷いた。
「俺はおまえのこと、好きでもなんでもない。……誰でもよかった。」
「嘘だもん!タケルはそんな適当な人じゃないでしょ!?そんな、誰でもなんて…」
私たちのやり取りを聞いて、郁さんは笑っていた。
そして、「みじめだからやめな」って……止められた。
タケルは唇を噛んで、そして私に背中を向け歩きだした、
「みじめでもいい!やだよ、タケル!行っちゃやだ!」
私の声が届いているのか
いないのか
一度も振り返ることなく
タケルは立ち去っていった。
しかもなんか、空気読んでないっていうか……
「好きじゃない。」
は???
たぶん、その場にいた全員が頭にハテナが浮かんでたと思う。
「菜月のことは別に好きでも何でもない。」
目の前が真っ白になった。
どういうこと?
私はてっきり、タケルとは気持ちが通じ合ったのかと思っていた。
それはただの妄想だと、勘違いも甚だしいというかのように
タケルは冷たい目で私を見てきた。
「俺、いなくなるし。今さらどうもこうもねーよ。」
……そういうこと。
それを聞いて郁さんは、あははと笑った。
「もーまじ最高だね、君。」
そう言って郁さんはタケルの背中をポンと叩いた。
「は?触んじゃねー誰だよおまえ。」
「んー、しいていうなら他人?」
「他人だったら口挟むなよバーカ」
憎まれ口を叩くいつものタケル。
だけど私の耳には右から左。
何も頭に入っていかない。
笑っている郁さんの顔だけが見えた。
「……なに言ってんの、おまえ」
陸先輩の低く冷たい声が聞こえてきた。
「菜月ちゃんの気持ち知ってて……」
どこまでも優しい陸先輩は、こんな時まで、優しい。
なのにそんな陸先輩と別れてまで
なんで私はこの男にすがりつきたいと思うのだろう。
「タケル……ほんと?ほんとにそう思ってるの?」
私の問いかけに、タケルは少し間を置いて頷いた。
「俺はおまえのこと、好きでもなんでもない。……誰でもよかった。」
「嘘だもん!タケルはそんな適当な人じゃないでしょ!?そんな、誰でもなんて…」
私たちのやり取りを聞いて、郁さんは笑っていた。
そして、「みじめだからやめな」って……止められた。
タケルは唇を噛んで、そして私に背中を向け歩きだした、
「みじめでもいい!やだよ、タケル!行っちゃやだ!」
私の声が届いているのか
いないのか
一度も振り返ることなく
タケルは立ち去っていった。

