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恋花火
第49章 ALONE
「タケルは自分の意志で出て行ったんだよ。俺たちは出て行けなんて、そんな事一度も言っていない。」





言わなくてもそう仕向けたくせに


私はタケルの涙を知っている


朝の海で


子どもみたいに泣いていたよね


あの時の涙は


忘れてないよ


「返してよ!」

「やめなさい」

「タケルの事返して!!」


タケルを追い出したその人は、呆れたように笑い


「君に預けておくよ」と、ポリ袋をいくつも私に渡してきた。


タケルのお母さんは


何も言わないまま私を見て


家の中に姿を消した。








サクサク


雪を踏む音がする


サク、サク


冬の音





「……菜月」



振り返ると、美波が立っていた。





「……レンがね、話があるから来てって……」


私の周囲に散らばるポリ袋と、その中に入っている物を見て


美波も何かを悟ったようだった。




「……タケルがいなくなっちゃった……」


美波は何も言わずに私を抱きしめて


私たちは雪の上で


しばらくそうしていた。




タケル


話がしたいよ


なのに、今


ここにいない。
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